ミネラルウォーターはさまざまな場所で採水されており、ご当地ならではのお水もたくさんあります。水分を補給するだけでなく、ミネラルなどの栄養素も取り入れられるミネラルウォーターは、毎日の健康や美容維持に役立ちます。
今回は、ミネラルウォーターの種類や選び方、おすすめのご当地ミネラルウォーターをご紹介します。
ミネラルウォーターとはどんな水?
ミネラルウォーターは、食品衛生法では「水のみを原料とする清涼飲料水」と定義付けられています。水のみが原料となり、主に地下水が原水です。
山に降った雨や雪は、川を作って海へ流れ込みますが、一部は地中へ深く染み込みます。染み込んだ水は長い年月をかけてろ過され、土壌中のミネラルを溶かしながら地下水になります。このような地下水を汲み上げたり、湧き出たところを採水したりしているのがミネラルウォーターです。
ミネラルウォーターの種類
ミネラルウォーターは、主に4つの種類に分類されます。農林水産省による品質表示のガイドラインがしっかりと設けられており、似たような名前でも異なる点が多いのが特徴的です。
ナチュラルウォーター
原水を「特定の水源から採水した地下水」としている水をナチュラルウォーターといいます。
定義として「ろ過・沈殿・加熱殺菌以外の物理的・科学的処理を行わない」ものもナチュラルウォーターとして表示できる決まりです。ミネラル成分の溶解が少ないのが特徴で、メーカーによっては天然水と表記している場合も多くあります。
ナチュラルミネラルウォーター
ナチュラルウォーターの中でも、鉱化された地下水を原水としている水をナチュラルミネラルウォーターといいます。
鉱化とは、水が地表から浸透して、地中を移動中もしくは滞留中に地層の中にあるミネラルが溶け込むことです。処理の方法によって一定の基準を満たさなければ、ナチュラルミネラルウォーターと記載はできません。
ミネラルウォーター
ナチュラルミネラルウォーターを原水とした水をミネラルウォーターといいます。
品質安定のために、ミネラルの調整やさまざまな水源のナチュラルミネラルウォーターをブレンドしていることが多いです。一般的に、ミネラルウォーターと呼ばれているものの多くはこの分類ですが、しっかりとした定義があります。
ボトルドウォーター
原水は地下水ではなく、上記の3つ以外に該当する水をボトルドウォーターといいます。
殺菌処理は認められていますが、処理方法は限定されていません。純水や蒸留水、水道水などが原水で、後から人工的にミネラルを添加したRO水と呼ばれる水もボトルドウォーターに分類されます。
ミネラルウォーターと天然水の違い
ミネラルウォーターと天然水の共通点は、どちらも地下水を原水としている点です。そのため同じように感じられますが、水の処理方法については、以下のように明確に分けられています。
ミネラルウォーター | ミネラルの調整やばっ気、 複数の水源から採水した ナチュラルミネラル ウォーターのブレンド などが行われている |
天然水 | 沈殿やろ過、加熱殺菌以外の 物理的な処理や化学的処理は 行わないこと |
必要最低限の処理しか行われず、自然に近い水である天然水に対して、ミネラルウォーターはさまざまな処理が行われています。
ミネラルウォーターと水道水の違い
ミネラルウォーターと水道水の違いは、原水の違いです。
地下水を原水としているミネラルウォーターに対して、水道水は河川やダム湖などの地表水を原水としています。ミネラルの含有量も違っているため、味が違うと感じる人もいるかもしれません。
また、それぞれの安全性の基準も異なっています。ミネラルウォーターは食品衛生法によって安全が確保されていますが、水道水は水道法が基準です。
ミネラルウォーターの安全基準 | ・殺菌や除菌されていれば40項目 ・殺菌や除菌がされていなければ15項目 |
水道水の安全基準 | 51項目 |
水道水の方がより厳しい基準をクリアしなければなりません。日本の安全基準は世界ではトップクラスのため、どちらも安全に飲める水といえるでしょう。
ミネラルウォーターを選ぶ際の4つのポイント
ミネラルウォーターは、以下の4つのポイントを基準に選んでみてください。
- 硬度を確認する
- ミネラル量を確認する
- 採水地を確認する
- pH値を確認する
硬度を確認する
水の中に含まれているカルシウムやマグネシウムといったミネラルがどのくらい含まれているかによって硬度が決まります。硬度によって呼び名が変わり、硬度が低いものが軟水、高いものが硬水です。採水地が国内の場合は、比較的軟水が多く日本人も飲みやすい水といえるでしょう。
一方で、海外のものは硬水が多く、ミネラルは豊富ですが飲み慣れていない日本人にとっては好みが分かれる味です。国内では一般的に、硬度が100mg /L未満のものを軟水、300mg /L以上のものを硬水としています。
ミネラル量を確認する
水にはミネラルが含まれており、どのくらいの量が入っているかによって味も変化します。
ミネラルウォーターでたくさんのミネラルを摂取したいと思っていても、軟水に慣れている場合は、飲みにくさが気になってしまうでしょう。
ミネラル量と飲みやすさのバランスが重要です。ミネラルの種類だけでなく、どのくらい含まれているのかも確認してみましょう。無理なく水分補給ができるように、理想的なミネラル含有量を見つけることが大切です。
採水地を確認する
どの場所で、採水された水なのかもしっかりと確認してみましょう。ミネラルウォーターは採水地によってミネラルの種類や含有量、味も異なります。例えば、ミネラルのひとつであるマグネシウムは、体にとって重要な働きをする成分です。
糖尿病や高血圧といった生活習慣病を予防する働きがあります。ミネラルウォーターにどのような効能を期待しているかによって、ぴったりな採水地も異なるでしょう。さまざまな採水地があるため、色々と試してみてください。
pH値を確認する
酸性、中性、アルカリ性に分類して水の性質を表すのがpH値です。水の性質の違いは味に現れます。酸性に近いと酸っぱさを強く感じ、アルカリ性に近ければ苦味を感じやすいです。
酸性 | 0〜6.9 |
中性 | 7.0 |
アルカリ性 | 7.1〜 |
人の体液のpH値は7.4前後の弱アルカリ性といわれており、飲み水の理想的なpH値は7〜8の中性から弱アルカリ性とされています。体内への吸収率を考える場合には、pH値を確認するとよいでしょう。
おすすめのご当地ミネラルウォーター7選
ミネラルウォーターは、全国にご当地ならではの商品がたくさんあります。ここでは、おすすめのご当地ミネラルウォーターを7つご紹介します。
奥会津金山|天然炭酸の水
奥会津金山の天然炭酸水は、福島県奥会津の金山町から湧き出ている天然の炭酸水です。長い年月をかけて水に馴染んでいくため、1粒1粒きめ細やかな泡が特徴的。炭酸水が苦手な方でも美味しく飲めると評判です。
2022 JAPAN AQUA AWARDS では最高位のプラチナ賞を受賞し、2023年のG7広島サミットなどでも採用された実績があります。源泉の清らかさを損なわないために、徹底した管理で商品を製造しているこだわりも。天然の炭酸水の味をしっかりと堪能できるように、肉厚のガラス瓶なのも魅力のひとつです。
株式会社ジャパン・ミネラル|カムイワッカ麗水
北海道虻田郡真狩村にある、羊蹄山(ようていざん)のふもとから湧き出す天然水です。羊蹄山には、標高250〜260mの付近からさまざまな場所で湧水があり、絶妙なバランスでミネラル成分を含有させてカムイワッカ麗水が作り出されました。
ミネラルが豊富なカムイワッカ麗水の一番の特徴は、保存期限が非常に長いことです。5年、7年、10年、12年、15年という幅広いラインナップとなっており災害時の備えとして活躍します。毎日の飲料水だけでなく、もしもの時の保存用としてもおすすめのミネラルウォーターです。
奥入瀬湧水館|奥入瀬源流水
奥入瀬のブナ原生林から生まれた天然水で、大地の力と水の息吹を含んだピュアな美味しさが特徴的です。カルシウムやマグネシウムなどの含有量、pH値など美味しい水には細かな基準がいくつかありますが、奥入瀬源流水はすべての基準を満たしています。
バランスが整ったナチュラルミネラルウォーターといえるでしょう。飲料水としてそのまま飲むだけでなくコーヒーやお茶などに使うのも非常におすすめです。大自然のおいしさを感じたい方は奥入瀬源流水をぜひお試しください。
Dairy|屋久島縄文水
樹齢7000年の縄文杉を育んだ、ピュアでナチュラルな屋久島の軟水です。屋久島は日本名水百選にも選ばれており、屋久島の大自然が長い年月をかけて作り上げた天然水は、硬度約10mg /Lで特有のまろやかさがあります。
徹底した品質管理のもと採水地で汲みあげて加熱殺菌を施した後、ミクロフィルターを通しボトリングします。今なお自然が多く残る世界自然遺産の島である屋久島のエネルギーを直に感じられるナチュラルウォーターといえるでしょう。飲料水としてはもちろんのこと、素材の味を活かす軟水は料理やご飯の炊き水にも最適です。
株式会社富士山の天然水|富士山の天然水
富士山にある天然の玄武岩地層が、60年以上もの長い年月をかけてじっくりと磨きあげたナチュラルミネラルウォーターです。洗浄度の高い地下天然水を組み上げており、地表に露出している水は一切利用していません。安心で安全な美味しい天然水を届けるために、水質検査やミネラル成分の検査、放射能検査も行っています。
富士山の天然水は、カルシウムとマグネシウムの含有量が極めて少ない超軟水。苦味やクセがないため、口当たりが非常に良い特徴があります。一方で、希少なミネラル成分であるシリカとバナジウムを豊富に含んでおり、健康と美容を気遣う方におすすめです。
エスオーシー株式会社|温泉水99
鹿児島県桜島付近の垂水温泉から湧き出す天然水です。ミネラル成分を添加しているミネラルウォーターもありますが、温泉水99は一切のブレンドをしておらず天然水100%。pH値9.9、硬度2以下という高品質な水で、水量に限りがある希少な天然水のため幻の水と呼ばれています。
高アルカリ性であるため、胃腸の働きを整えたり、体の酸化を抑えたりとさまざまな効能があり健康維持に期待できるミネラルウォーターです。そのほか、粒子が細かく浸透力が良い点も特徴のひとつ。料理に取り入れるだけで、食材の持つ旨みや甘み、香りなどを引き出して美味しく仕上げてくれます。
株式会社ニチネン|武尊の天然水
上州武尊山の自然が育んだミネラル天然水です。利根川原流域の武尊山のふもとにある川場村で採水しており、大自然からのミネラル豊富なお水は、豊かな水田や動植物を育んでいます。
そんな自然のミネラルバランスのまま、衛生的な高性能フィルターで処理してボトリング。軟水でほのかな甘みがありながらも、すっきりと切れ味のよい飲みやすさが特徴です。自然の恵みの原点を詰め込んだミネラルウォーターといえるでしょう。
ご当地ミネラルウォーターの楽しみ方
ご当地ミネラルウォーターの楽しみ方はさまざま。飲料水としてそのまま楽しむ以外にも、調理などでも活用できます。
毎日の水分補給に!
ミネラルウォーターは毎日の水分補給に最適です。余計なカロリーを摂取することなく、手軽にミネラルを補給できます。
毎日の水分補給は健康に過ごす上で欠かせません。ただし、甘みのあるドリンクばかり飲んでいてはカロリーオーバーとなってしまいます。
ダイエットや健康を維持したい方にはカロリー0のミネラルウォーターがおすすめです。活動していく中で自然に失われるミネラルも補給できます。生活の中で積極的に摂取したい成分の含有量が多いミネラルウォーターを飲めば、さまざまな健康効果も期待できるでしょう。
料理にも使える!
ミネラルウォーターは料理にも使えます。出汁を取ったり、ご飯を炊いたりするだけでなく、煮込み料理などにも使用可能です。基本的に水道水と同じような使い方で問題ありませんが、使用の際は硬度に注意してください。
硬度によっては料理と相性が良くない場合もあり、味が大きく変化してしまう可能性があります。軟水や硬水によって適した調理法があるので使い分けをしましょう。
軟水 | ・出汁をとる ・ご飯を炊くなど |
硬水 | ・パスタを茹でる ・お肉を使った煮込み料理など |
さまざまな種類のミネラルウォーターを飲んでお気に入りを見つけよう!
自然の恵みをそのまま感じられるご当地ミネラルウォーターは、全国各地にたくさんあります。
ミネラル成分の含有量や硬度も異なり、味わいもさまざまです。色々な味を試してぜひお気に入りのミネラルウォーターを見つけてみてください。