「軟水」と「硬水」の違いは硬度にあります。硬度とは、水の中に含まれるミネラル成分の濃度の高さで、その数値の大きさで軟水か硬水かの分類がされているんです。
いつまでも生き生きとした健康的な体で生活を過ごしていきたい、そう考えると水にも気を使いたいですよね。
軟水と硬水の違いや特徴を知ることで、効果的で上手な使い分けが出来るようになりますよ。
「軟水」と「硬水」とではどう違うの?知っておきたいそれぞれの特徴
人の体は半分以上が水でできていて、水なしには生きていけない生き物です。
さらに人は、水中で誕生した生命の遺伝子を受け継いでいると考えられています。
約50~70%が水分の人の体は、その10%を失うと死にいたることもあります。食べ物が無くても2〜3週間生きていけるのに、水を飲まないと5日ほどで死んでしまうそうですよ。
この記事では、そんな人と密接な関係である水の「軟水」と「硬水」の違いや特徴をご紹介します。健康や食生活を豊かにアップグレードしてくださいね。
「軟水」と「硬水」は、その硬度の高さできまる
軟水と硬水は、硬度で決まります。
硬度とは、1lあたりの水に含まれるミネラルの量のこと。水の中のミネラルは主に、マグネシウムイオンとカルシウムイオンです。この硬度の基準は場所により異なります。
WHO(世界保健機関)では、0~60mg/lが軟水、60~120mg/lが中程度の軟水、120~180mg/lが硬水、180~が非常な硬水とされています。
日本では、0~100mg/lが軟水、101~300mg/lが中硬水、301~mg/lが硬水という基準です。
ヨーロッパのミネラルウォーターで有名なエビアンは、304mg/lなので硬水ということですね。
かなり飲みごたえのあるコントレックスは1468mg/lなので、同じ硬水でも硬度にかなりの違いがあり、口当たりの違いもありますね。
また、東京の水道水は60mg/lなので軟水です。日本の水道水やミネラルウォーターはほとんどが軟水なので、身近で馴染みが深く飲みやすく感じますよね。
地形で変わる硬度と、ヨーロッパの水と日本の水について
日本は軟水が多く、ヨーロッパは硬水が多いのですが、。水の成分はどうして変わるのでしょうか。
それは、日本とヨーロッパの地形の違いが関係しています。
島国である日本は山から海への傾斜が急で、起伏の激しい地形です。また水の浸透がしやすい花こう岩が多い地質。山に降った雨や雪は花こう岩でろ過されて、比較的早い速度で海に流れます。
一方、大陸であるヨーロッパは山から海への傾斜が緩やかです。またミネラルの豊富な石灰石が多い地形。山に降った雨や雪は、石灰層でゆっくりとろ過されながら海に流れます。
このため、日本の水はミネラルをあまり含まず軟水になり、ヨーロッパの水は豊富なミネラルを含み硬水になるのです。
体に良いのは軟水?硬水?上手く使い分けたいから、気になるその効果と使い方
軟水と硬水では、どちらが体に良いのでしょうか。
軟水は飲みやすいけど、ミネラル豊富な硬水の方がなんとなく体に良さそう。毎日飲む水はどっち?と悩んでしまいますよね。
一概には言えないのですが、日本人の食生活や体質に合っているのは軟水です。毎日飲むのには、やはり軟水が適しています。
硬水を飲むことで内側から健康をサポートしてくれますが、日本人には馴染みが薄く、無理に飲むとお腹をゆるくしてしまうこともあります。
ちょっとミネラルが不足しているな、と感じるとき。例えばファストフードや肉料理の多い日が続いてしまったときにサポートとして硬水を飲むことをおすすめします。
軟水は日本人の体にぴったり!和食にも相性が良く飲みやすい軟水は日常使いにおすすめ
日本の地質が生み出した癖のない軟水は日本人の体質にもぴったりで、日常的な飲料水として最適です。
前述しましたが、人の体は約70%が水でできています。起伏の激しい地形で昔から飲み続けてきた軟水は、日本人の体の一部ではないでしょうか。そんな日本人に馴染み深い、和食は軟水と相性が良いと考えられますよね。
ミネラル成分が少ない軟水は無味無臭で、お茶やコーヒーはもちろん、甘みの深い日本のお米を炊くときにもおすすめです。だしをとるのも軟水でなければ上手くできません。
素材の味を生かすことが多い和食には、軟水がぴったりなんですね。
だしを大切にする和食。美味しい軟水で毎日の食卓をグレードアップ
昆布やかつお節の繊細で豊かな香りを楽しむ和食は、軟水がぴったりです。特にだしが決め手のみそ汁や煮物,、だし巻き卵や雑炊を作るのに向いています。
ほうれん草のお浸しや和え物を作るときに野菜をゆでるのも、軟水でないと上手くいかないことが多いんですよ。それは日本の軟水はアルカリ性が低いという特徴を持っているからです。
また、南瓜の煮付けや肉じゃがなど野菜を柔らかくしたいとき、魚の煮付けなどをふっくらと仕上げるのにも軟水がおすすめです。
日本のお米は、そもそも日本の軟水で育っています。美味しい軟水を使って炊き上げれば、ふっくら艶やかなワンランク上の甘みやうまみを楽しめますよ。
日本の食材や和食は、この土地の軟水が育んだということをつくづく感じますよね。
硬水はミネラルが豊富!体のバランスをとる時や特別な料理に活用しよう
硬水に含まれるミネラルは、体の調子を整えるのに良い働きをしてくれます。
硬水には主にマグネシウムとカルシウムが豊富で、これらは不規則でバランスの崩れた食生活で不足しがちな栄養素です。
このマグネシウムやカルシウムは血液をサラサラにし、動脈硬化の予防をしてくれます。血液の巡りが良くなると心筋梗塞や脳梗塞になる危険性も減りますよ。
またマグネシウムは、骨や歯を強化してくれたり、体の中にある酵素の働きをうながしてくれたりします。
腸の動きを活発にしてくれるので、便秘がちな方の目覚めの一杯におすすめ。飲みすぎるとお腹がゆるくなりすぎてしまうので、一日にコップ2~4杯くらいにしておきましょう。
ミネラルが豊富な硬水は、お肉を長時間じっくりと煮込むような料理にぴったりです。
その理由は、硬水に含まれるカルシウムが食材の肉を硬くする成分と結びつきアクになり、そのアクを細かく取り除いて煮込むと柔らかい肉料理ができあがるからです。
また、アクが多い野菜の食感を残して茹でたいときや、お米をさっぱりとした食感にしたいときにも硬水で炊いてみてください。
お肉を煮込むのにぴったりの硬水。特別な日に作りたい料理
ヨーロッパで多く飲まれている硬水は、肉料理と相性が抜群です。じっくり煮込むビーフシチューやカレー、ポトフやスープストックに向いています。
また、パスタをゆでるのも硬水がぴったりです。パスタをゆでるときに入れる塩の代わりに硬水でゆでるとコシが生まれ、歯ごたえが楽しめますよ。
パエリアやチャーハンなど、パラパラとしたお米を楽しむ料理にも硬水はおすすめです。硬水に含まれるカルシウムの働きで、一粒ずつがぎゅっと硬めに炊きあがり、さっぱりとした味わいを楽しめます。
軟水を使うなら、ウォーターサーバーとペットボトルはどっちがおすすめ?
日本人の体に合うのは軟水。お水は毎日たくさん使うので、気になるのがコストですよね。
ウォーターサーバーとペットボトルなら、どっちがコストを抑えられるのでしょうか。
単純に水の価格だけを考えるのであれば、ペットボトルの方が安価です。
しかし毎日頻繁に飲むものだから、その利便性と大切な時間を無駄にしない、ウォーターサーバーも大変おすすめです。
ウォーターサーバーがお得な理由
ウォーターサーバーはコストがかかる代わりに、買い物に費やす時間や、使うたびに冷蔵庫に出し入れするといった面倒な作業から解放されます。小さなことですが、意外と負担に感じている方も多いのではないでしょうか。
ここでウォーターサーバーとペットボトルの水、それぞれのメリットを考えてみましょう。
ペットボトルのメリットは価格が安く、色々な水を選べ、持ち運びがしやすいことです。
ウォーターサーバーのメリットは、自宅まで配達してくれる、冷水・温水がレバー一つですぐに使える、冷蔵庫を圧迫しない、防災の備蓄水になることです。
また時間や労力をかけて購入しているペットボトルの水の中には、海外の水道水にミネラルを加えているものもあり、天然水ではないこともあります。
だからこそ、安心して美味しい天然の水を便利に使えるウォーターサーバーがおすすめです。
環境への配慮も考えて。ウォーターサーバーがおすすめの理由
近年の急な大雨などで、温暖化の影響を身近に感じている方も多いのではないでしょうか。
だからこそ環境への配慮も気になるところ。ウォーターサーバーで気になるのは、使い終わったボトルについてです。
ウォーターサーバーの水のボトルには「ワンウェイ方式」と「リターナブル方式」の二種類があります。
ワンウェイ方式は、使い終わったボトルはゴミになります。大きなボトルがかさばるのでは?と心配になりますが、実はつぶしやすくてコンパクトになり、それほどかさばりません。
ペットボトルを一つずつ、つぶすことを考えると簡単な作業ですし、圧倒的にかさが減ります。
またリターナブル方式は、空いたボトルを業者が引き取り洗浄・除菌して新品同様の状態で、新たな水を入れるためすぐにはゴミにならず、とってもエコなんですよ。
「軟水」と「硬水」を上手く使い分けて。環境にも優しい選択をしませんか?
軟水と硬水の違いは、硬度の違いです。ミネラルの含有量が大きければ硬度が高く硬水、低ければ軟水です。
地形によりその硬度は変わり、ヨーロッパのように山から海までが緩やかであればミネラルを豊富に含む硬水になり、日本のように山から海までが急であればあまりミネラルを含まない軟水になります。
ミネラル豊富な硬水は現代人に不足しがちな栄養素なので取り入れた方が良いのですが、日本人の体質にはあまり合わないので、一日コップ2〜4杯が適切です。日常的に飲むのは軟水がおすすめで、和食との相性も抜群。また硬水は洋食におすすめです。
硬水と軟水のメリットを上手に使い分けて、より豊かな毎日を過ごしてみませんか?