「水そば」とは普段はつゆで食べるところを水だけで食べることで、お蕎麦本来の味を楽しむもので、そばが好きな方の通な食べ方として知られています。
そばが美味しいと評判な地域では「水そば」をお店のメニューに置いてあるところがあり、標高が高く良質な水が出る川の上流に多くあるようです。
お店の食べ方だけでなく自宅でも楽しめる方法をご紹介しますので、最後までご覧になってくださいね。
「水そば」は2つのそばの食べ比べがおすすめ
「水そば」でそばを食べ比べると、そばそのものの味や香りを楽しめます。
そばは国産の在来種の蕎麦の実が味や香りが良く、挽く時に石臼(いしうす)を使うか機械を使うかでも変化が出ます。
そばはだいたい十割そばと二八そばの2種類に分かれており、原材料の割合で味や触感が変わるため、ぜひ2種類を食べ比べしてみてください!
十割そばとは?|そば粉100%で本来の味が楽しめるのが特徴
十割そばは、そば粉100%と水だけで打ったそばのことで、生粉打ちと呼ばれます。
挽いたそば粉の粒々をかむと味や香りが濃厚に感じられ、歯切れの良い食感を楽しめるのが特徴です。
シンプルな作りなので、お水の種類や使用したそばの実の味がそのまま感じられ、水とそば粉の割合を変えると食感に変化が出ます。
二八そばとは?|そば粉8割小麦粉2割で作ったなめらかな食感が特徴
二八そばは、その名の通りそば粉8割に小麦粉2割を使用して、滑らかな食感に仕上げたそばです。つるんとしたのど越しが特徴で、噛むときりっとしたコシを感じます。
また、江戸時代にそばの値段が16文だったことから2×8=16という言葉遊びから生まれたという説もあるんです。
小麦粉を2割使うので、その分そば粉の香りや味が損なわれないか心配されますが、製法によってそばの香りがちゃんと感じられますよ。
「水そば」はそば本来の甘みと香りを楽しむ通な食べ方
「水そば」は、蕎麦2種類の違いを感じられる食べ方で、蕎麦の名産地であれば提供されている可能性が高いです。
そばの実の産地によって味や風味の違いがあるため、通な方はさまざまな地域で食べ比べをされています。
実際に水そばを提供しているお店では、どのように食べられているのか調べてみました!
水そばの美味しい食べ方
お店では、十割そばや二八そば、つゆと天然水が乗せられてきます。
つゆで食べる前に天然水で食べて、蕎麦本来の味を楽しんでもらうようです。
蕎麦本来の香りが鼻を通っていくのをしっかり感じられます。
その後に蕎麦の歯ごたえや風味が口の中に広がり、つゆで食べた時にはわからなかった上品な旨みを感じられるでしょう。
「水そば」は川の上流に位置する山間で提供しているお店が多く、山間はやはり美味しい天然水が沸いている地域です。
お水の違いで「水そば」の味も変わるのでしょうか?
「水そば」は水の違いで味が変わるのか?
「水そば」は、美味しい天然水を使うのも重要なポイントのようです。
そもそも、蕎麦は手打ちする時から、「軟水」か「硬水」かという水質がとても重要で、蕎麦の出来上がりにも差が出ます。
「軟水」…マグネシウムやカルシウムの含有量が少ない水
「硬水」…マグネシウムやカルシウムが含まれた水
マグネシウムやカルシウムが含まれた硬水は、蕎麦のグルテンが作られるのを邪魔する物質です。麺にはなりますがボソボソとした食感で甘みを感じない、美味しくない蕎麦になってしまいます。
硬水はヨーロッパ産のミネラルウォーターに多いため、自宅で手打ちする時は気を付けましょう。
普段飲んでいる水道水は、東京都水道局によると軟水。なので水道水もそば打ちに使用できます。
また、ウォーターサーバーの水は水道水よりも軟水で、雑味が無いので自宅にある方はぜひ活用してください。
今回自宅でそばを茹でて、軟水と硬水で実際に水そばの食べ比べをしてみました。
軟水の水道水や浄水で食べてみる
水道水と浄水の違いはほとんど感じず、つゆにつけて食べた時と食感も変わりませんでした。
二八そばは変わらないのど越しと美味しいそばだなという感じですが、十割そばはつゆで食べる時よりもふわっと蕎麦の香りを感じられましたよ!
硬水のミネラルウォーターで食べてみる
硬水のミネラルウォーターで食べてみると、まず食感に変化がありました。二八そばはつるんとした食感が特徴なのに、その食感は失われて口の中に違和感を感じます。
十割そばに関しては、甘みも感じずそばの香りさえあまり良い印象が持てません。
ミネラルウォーターで食べるなら、軟水の国産ミネラルウォーターを使うのがおすすめです。
そば打ちの時と同様に、そばを茹でてからも硬水は影響を与えるようです。
「水そば」に一工夫すると違った味わいを楽しめる
「水そば」で蕎麦自体の味は楽しめましたが、いつもはつゆで食べているので、やはり少し物足りなく感じました。
そこで一工夫。
水で食べた後は、塩やつゆにつけて食べ比べてみると、まるでそば懐石のようにさまざまな美味しさを感じられますよ。
箸に塩を付けて食べ比べ
水で食べ比べをした後は、塩で蕎麦を味わってみましょう。
箸の先に少し塩をつけ、そばをすくって口の中へ。あまりつけすぎると塩が強すぎてしまうので、心配なら取り分けた蕎麦に塩を少しかけて召し上がってください。
塩が蕎麦の甘みを引き立たせて、水だけの時とは違った旨さを感じられます。
水や塩で味わった後はそばつゆでしめるのもアリ!
水や塩で蕎麦本来の味を楽しんだあとの〆は、そばつゆでいただきましょう。
当たり前ですが、そばつゆにつけて食べると美味しいです!完成された味ですね。
自宅で蕎麦を食べる時は、市販のストレートのそばつゆを使ったり濃縮めんつゆを水で割ったりして食べると思います。
市販の濃縮麺つゆを使う時、水で割ってもいいのですが、かつお節で取った出汁で割るとさらにつゆがランクアップします!
かつお出汁と蕎麦の香りの重なりがたまらないですよ。
ウォーターサーバーがあれば自宅でも手軽に水そばが楽しめる
「水そば」を自宅で楽しむなら、美味しい軟水を使うと蕎麦の味を引き立たせてくれます。水道水でも良いのですが、せっかく自宅で水そばを楽しむならお水も少しこだわりたいですよね。
ミネラルウォーターを使う場合、軟水が多い日本産の物を選ぶと良いですよ。またウォーターサーバーの水は日本の美味しい天然水をパックにしたものが多く、そのほとんどが軟水です。
水道水よりも雑味がないため、蕎麦の味を邪魔しないですね。
手打ち蕎麦を作る時も使えて、水そばの水にも最適ですから自宅にウォーターサーバーがある方は、ぜひ「水そば」を試してみてください!
「水そば」は美味しい軟水を使ってそばの風味を楽しもう
「水そば」はそばが好きな方には、ぜひ試していただきたい食べ方です。
用意する物は美味しい軟水と塩、そばだけですから難しい材料は必要ありません。
この時、そばは二八そばと十割そばを用意するのがおすすめです。
少し手間ですが、普通お店で食べるときはどちらか1種類のみなので、食べ比べすると自分の好みを発見できるかもしれませんよ。
そして硬水を選ばない様にだけ注意して、つけて食べる水にもこだわってみてください。
そば屋さんへ行った時もお店に「水そば」が置いていないか確認してみましょう。本場の味を知ると、またそばの奥深さを知るきっかけになりますよ。
今回は、「水そば」を自宅でも楽しめるように紹介しました。
自分で食べてみたら、ぜひお客様が来た時にふるまってみてはいかがでしょうか?
きっと楽しんでくれること間違いなしですよ!